雨が見ていた~Painful love~
なんで?
どうして?
意味が分からない。
どうしてキョウちゃんは私にこんなひどいコトするの??
会うたび会うたび
私の心を侵食して
傷つけて
私に見えない傷を作るキョウちゃん。
水を吸って重くなる服
思ったように身動きできない、カラダ
必死の思いで
泣きそうになりながら
やっとの思いでプールサイドへとたどり着くと
「俺を怒らせたオマエが悪い。」
キョウちゃんは私の携帯をプールの中に投げ捨てた。
――なんで??どうして??
私の瞳からはしょっぱい涙がボロボロと落ちてくる。
無表情のまんま怒りに身を焦がすキョウちゃんに、絶望に打ちひしがれる私。
どうして、こんなことするの?
私の何がいけないっていうの??
悪魔のように私を見下すキョウちゃんに、怒りよりも恐怖を感じる。
「き、桐谷さん!!」
呆然とした表情のまんま見つめ合う私たちの間に入ってくれたのは、郷田先生。
私の近くに走りよると、大きなバスタオルを肩にかけてくれて
「おい!だれか!!
女性用のジャージを貸してくれ!!」
女子部員に声をかけてくれた。