雨が見ていた~Painful love~
「…は…??」
響弥の歪む眉を見てキラは確信する。
――あと一押しで落ちる。
「こんなことが明るみに出たら藤堂はいいかもしんないけど、おね~さんにとっては毎日が針のむしろだよねぇ?
仕事してても自分の周りにいる全員が“可哀そうな子”って目で見るんだもん。そのうち人の視線が怖くなって仕事はおろか、外にも出ていけなくなっちゃったりしてね。
うわ~、かっわいそ~う!!
キャハハハハハ!!!!」
わざと挑発するように、そんなひどい言葉を口にすると
「…キラ!!
オマエ……この場で息の根止めてやる!!!」
そう言って
響弥は怒りにまかせてこぶしを振り上げる。
その瞬間
――勝った!
キラはそう確信する。
自分が殴られる前に
自由になる右足を思いっきり振り上げて響弥のみぞおちに強い蹴りをお見舞いすると
「う、うぐ…っ!」
一瞬息の止まった響弥は思わずその場に崩れ落ちる。
苦しそうにうずくまる響弥の近くにテクテクと近づくと
「手間かけさせやがって…。
最初からウンって言えばよかったんだよ、このクズが。」
冷たい氷河のような目を向けて
キラはグリグリと響弥の頭を踏みつける。