雨が見ていた~Painful love~
「う、ウグ…」
燃えるような瞳で響弥がキラを睨みつけると
「別に俺はね?
あの女が苦しもうと傷つこうとカンケーないの。おわかり??」
響弥の額を踏みつけたまんま
キラはニッコリとくったくなく響弥に笑いかける。
「キラ…おまえ…!!」
そんなコトまでして勝ちたいのか!?
オマエに誇りってモンはねぇのかよ!!
なんだかんだ言いながらも響弥はキラを好敵手だと認めていたし、コイツがいるから自分も強くなれたのだと感謝すらしていた。
キラに負けたくないから練習する
キラに負けたくないからストロークを研究する
そんな刺激を受け合いながら成長できるキラの存在に感謝すらしていたのに…、目の前にいるコイツはなんなんだ!?
キラに踏みつけられている反対側のこめかみがアスファルトに擦れて、軽く血がにじんでいる。
そんな痛みと屈辱に耐えながら
「俺は負けねぇ!!
絶対にお前なんかに負けてたまるか!!」
腹の底からそう叫ぶと
「勝手にすりゃいいじゃん。」
冷たい口調でキラが囁く。