雨が見ていた~Painful love~
「…え??」
その口調に驚いて思わず言葉を止めると
「俺は藤堂が想ってるほどおねーさんに愛着も執着もないからね。あの人が傷つこうが、痛めつけられようがぜ~んぜん平気☆
だから…勝ちたいなら勝手に勝てばいいんだよ。」
響弥のこめかみの辺りを踏みつけたまんま、キラは腕組みをしてそんな一言を口にする。
「…てめぇ…自分が何言ってんのかわかってんのか!!」
燃えるような瞳で、下から響弥が睨みつけると
「わかってるよ~?
藤堂が日本選手権の予選を通過した瞬間に、おねーさんは地獄に突き落とされるだけだよぉ。」
ニッコリと
悪びれもなくキラはほほ笑む。
「藤堂が予選通過した瞬間、俺は仲間にこの情報をリークするように言ってある。おねーさんの写真もボイスレコーダーも何もかもね。
でも藤堂が勝ちたいなら勝手に勝てばいいんだよ?
たかが幼なじみの一人や二人…ゴミみたいに捨てちゃえばいいだけなんだから…ね?」