雨が見ていた~Painful love~
――そ、そんなぁ!!
泣きそうになる私をよそに
「俺、部屋が汚れるのだけは勘弁。
わかったら沼地オンナは大人しく中目黒の沼地に帰れ。」
冷たい言葉を吐いて、インターホンを切ろうとするキョウちゃん。
いつもなら、ここで引き下がって沼地……もとい、お家に帰るとこだけど、エントランスの外はザンザンバシャバシャまるで滝のように雨が降っている。
今日は少し寒いのに、こんな中帰ったら確実に風邪引いちゃう……。
――よしっ!!
覚悟を決めた私は
「今、家にいれてくれなきゃ、キョウちゃんがうちのパパに借りたアダルトビデオのタイトル、理央ちゃんママに言いつけてやるからね!!」
ビシッとバシッと
インターホンに向かって、私は高らかに宣言をする。
「確かタイトルは巨乳モノで……」
そこまで言うと
「……お、おまえ、卑怯だぞ!!」
向こうからはキョウちゃんの焦りまくった声が聞こえてくる。
「お姉さんが、教えてアゲル♪秘密のオトナの勉強部屋……だっけ??」
「お、おまえ!!
なんで知ってんだよ!!」
「えー?だってパパに“アレは俺のお気に入りだから早く返すように響弥に言っとけ”っていわれたんだもん!!」