雨が見ていた~Painful love~
大理石の光る豪華なエントランスで
アダルトビデオのタイトルを叫ぶ、ずぶぬれの女子高生。
「いいの?キョウちゃん!!
このまま私をお家に入れてくれなかったら、理央ちゃんママにエロビのタイトル言いつけるからね!!1本だけじゃなくて何本も大量に借りてるのも知ってるんだからっ!!」
「こンの……卑怯者!!」
「フーンだ!!卑怯で結構!!
大体キョウちゃんが大人しく私をお家に入れてくれてたら、こんなこと言わなかったんだもんっ!!
悪いのは私じゃなくてキョウちゃんだもんっ!」
「この、クソ美めーーーーっ!!!」
インターホンからキョウちゃんの忌々しそうな大声が響き渡ると
ウィーーン
オートロックの扉がゆっくりと開く。
「キョウちゃん!!」
嬉しくて、インターホンに向かって叫ぶと
「ムカツク……
クソ美のクセに……!!」
そう言って、キョウちゃんはインターホンをブツリと切った。