雨が見ていた~Painful love~


拓真くんの側にいて
私は愛されるってこういうことなんだ……って実感する。



寒い冬の日の布団の中みたいな
湯タンポみたいな優しさで、私を包んでくれる拓真くん。


大人の男性の温かさって……いいな、って思えた。



大事にされるって素敵だなって思えた。





だって拓真くんはいつだって私という人格を認めて、守って、信じてくれていたから。


大きな大きな優しさで、私を包んでくれていたから。





子どもみたいな必死さはないかもしれないけれど、穏やかな愛がそこにはあった。


真冬のココアのような温かな恋は、きっと大人にしか出来ない、大人の恋だ。





お互いを信じ

お互いの違いを認めあい

いいところも悪いところも全部受け入れて認めあう





それが大人の恋だと知ってしまった今……


キョウちゃんが私のことを好きだと思う、と言った仁くんの言葉がますます信じられなくなった。





郷田先生の言う通り、彼は特別私にワガママでヒステリックな感情をぶつけてくるとは思うけれど……、それは私を好きだからじゃないと思う。



キョウちゃんにとっては、私はお気に入りのオモチャで、何でもハイハイと言うことを聞くペットと同じ。



好きは好きでも、それはとても幼稚な感情で……、決してそれは愛じゃない。





< 273 / 545 >

この作品をシェア

pagetop