雨が見ていた~Painful love~
するとキョウちゃんは
「あぁん!!?」
不機嫌そうな顏だけを私に向ける。
「…ふふ。いつもの顔になってきた。」
その表情に私は少しうれしくなる。
「キョウちゃんは、そうやって悪態ついてなきゃダメだよ。弱ったり、悩んだりしてるキョウちゃんはキョウちゃんらしくないんだもの。」
いつだって俺様で自信家で
なんでだかわかんないけど
いつも私におこりんぼなのが、キョウちゃんなんだもん。
こんな風に落ち込んでる姿は…らしくない。
キョウちゃんに戻ってきたワルガキ顔がうれしくてニコニコ笑ってると
「ほんと…
オマエは変わらねぇのな。」
「…え??」
「どんなに俺が悪態つこうと、イジメようと、罵ろうと、次の日にはニコニコ笑って俺に話しかけてくる。鈍感でお人よし。しかもドMで図太くて、案外図々しい。
オマエって…ホント昔から変わんねぇのな…。」
ハァとため息を吐きながら
心底呆れたように、キョウちゃんがポツリと話す。
鈍感
お人よし
ドM
図太い
図々しい…??
それって…褒めてるの?
けなしてんの??
「なにそれ。
またそーやって私のことイジメる気??」
ブスッとしながらそう返すと
「違ぇよ。
俺は…お前のそういうところに何回も助けられてる。」
真剣な瞳をして、
キョウちゃんは私の目をじっと見つめる。
じっとじっと
心の奥まで見つめるように
心の奥まで見透かしているように
じっとじっとキョウちゃんは私を見つめる。