雨が見ていた~Painful love~


会話もなく
息することさえ躊躇するような静かな空間


瞬き一つせず
見つめ合うだけの私達



――ちょ、ちょっと…
キョウちゃん、なんで黙っちゃうのよ!!




居心地の悪い沈黙に耐えきれなくてフッと視線を避けると




「……だから…今度は俺がオマエを助ける番なんだろうな、やっぱり。」




――はぁ??




キョウちゃんは、こんなわけのわからない言葉を口にする。





助ける?
キョウちゃんが私を??





「ぶっ…アハハハハ!」


「な、なに笑ってんだよ、オメーは!!」


「だ、だって、だってー!!」





いつも私を奈落の底に叩きつけるキョウちゃんが“助ける!?”

ありえない!!
天と地がひっくり返ってもあり得ない!!





「キョウちゃんは私を地獄に放りこむのが仕事でしょ!?人助けなんてしたら神様に怒られちゃうよ!!?」





キョウちゃんの隣でゲラゲラ笑いながら、そんな言葉を口にすると、キョウちゃんはブスッとした顔をして


「オマエは…俺を誤解してる。
激しく誤解をしている…!!」


そう言って
私の頭を軽くゴンッと小突いた。



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