雨が見ていた~Painful love~
――な、なんでそんなに顔がひきつってるの!!?
――なんでそんなに怒ってるの!!?
わかんない!
わかんないよ、キョウちゃんっ!!
一人で百面相してる
キョウちゃんの真意がわからずに
「え?え!?
言葉のそのままの意味だよ!?
好きか嫌いかで聞かれたら、かろうじて、かろうじて“スキ”の部類に入るかな…って…。」
オロオロしながらそう答えると…
「…!!
……………。
オマエに期待した俺がバカだった。」
黒い黒いオーラを体中にまとわせたまんま
キョウちゃんは急に無表情を装って、スッとその場に立ち上がってしまった。
しゃがみ込んでる私に
立ち上がったキョウちゃん
さっきまで真隣りにいて
触れる肌から、語らなくても空気感で彼が何を感じて、何を思っているのかがテレパシーのように伝わってきていたのに…今は何もわからない。
私に背を向けて
表情一つわからない
今のキョウちゃんは、何を考えているのかわからない、いつもの怖いキョウちゃんだ。
黒いオーラに
冷たい雰囲気
私の全てを否定するような、その背中
仲良しの幼なじみのキョウちゃんではなく
再会した後の怖いキョウちゃんの背中に、ゾクリとした何かを感じながら身を縮こませていると
「ホントお前って悪魔だよな。」
「…え??」
「お前は俺を翻弄させるために生まれた、性悪悪魔だとしか思えねぇ。」
ハァ~とため息を吐きながら
何故かひどく落胆した声を出して、キョウちゃんはこんなわけのわからないことを言う。