雨が見ていた~Painful love~
――あ、悪魔だ!
やっぱりキョウちゃんは悪魔だぁ~~っ!!
悪魔が下した悪魔の鉄拳の痛みに必死に耐えて
涙目になりながら、頬の痛みに耐えていると
「…、ま、アレだな。
今回ばかりはクソ美のおかげでちょっと浮上できたわ。」
そう言って
キョウちゃんは満足そうにニヤリとほほ笑む。
そして近くに脱ぎ捨てていたキャップとゴーグルを手に取ると
「さて。
それじゃー、もうひと泳ぎしてきますかね。」
ゴキゲンでキョウちゃんは扉に向かって歩き出す。
――こ、この悪魔め!!
心の中で悪態をつきながら、キョウちゃんの背中を忌々しそうに見つめていると
「…なぁ、美織。」
「…な、なによ。」
「一個だけ聞いてもいいか?」
こちらを振り向きもせずに
いやにまじめな声を出して、キョウちゃんが私に尋ねる。
「オマエさぁ?
俺が負けたらどう思う?」
「はぁ?」
「今度の選手権で…
俺が無様な負け方したら、オマエ…俺のこと見損なうか??」