雨が見ていた~Painful love~
観客席を飛び出して、全速力で1階に向かう。
目指すのは…関係者以外は立ち入り禁止の選手控室。
PASSも何もないけれど…
こうなったら行くっきゃない!!
カラダ一つのまんま、キョウちゃんの待つ控室へと走っていくと、そこにいたのはキョウちゃん目当てに群がるマスコミの皆様と
「関係者以外はお通しできません!!」
「お引き取り下さい!」
マスコミの皆様を一蹴する、3人のごつい警備員。
――うわ、早い!!
さっきの今でこんなにマスコミが群がってきてるなんて。
この状況を見て頭の中に浮かんだのは
『騒ぎを聞きつけてマスコミが寄り集まってきたら、今以上に面倒なことになる。』
っていう社長の言葉。
確かに……
さっきの今でコレなんだもん。
さっきの映像を見て、今以上のマスコミが押し寄せてきたらと思うと恐怖でゾッとする。
この状況を目の当たりにして、社長の迅速な対処に感心していた私。
でも…ね??
この騒動の中、警備員を欺いて中に入ることなんてできるのかな…。
心配になりながらも、逃げてはいられない!!
ヨシっと心のフンドシを絞め直してトコトコとその騒動の渦の中に飛び込んでいくと
「そこのお嬢さん…PASSは!?」
案の定、警備員に止められて鬼の形相で睨まれる。