雨が見ていた~Painful love~
「どういう意味ですか?!」
「藤堂選手!!
その言葉の真意を教えてください!!」
マスコミの皆様は興奮状態。
フラッシュの光が激しく光り、シャッターを切るバシャバシャという凄い音が辺りに響き渡る。
空気を読まないキョウちゃんの発言に『バカ』と叫んだのは私だけではない。
運転席に乗り込んだパパは、キョウちゃんの腕をグイッと強引に引っ張り、車の中に無理やり引きずりこむと、助手席の扉を乱暴に閉めて
「この筋肉バカ!!
騒ぎをデカくすんなって言っただろうが!!煽ってどうする!!」
鬼のような形相でパパはキョウちゃんをギロリと睨む。
「だって、俺、本当に後悔なんてしてねぇもん。なんで自分の信念に沿ってやったことを責められなきゃいけねぇんだよ!!」
そんな視線を気にもせず。
キョウちゃんはフンッと鼻を鳴らしながら、まるで子供のようにわけのわからない持論を展開し始める。
「クソガキが。
そう思っててもな。
オトナには言っていいことと悪いことって言うのがあるんだよ。見ろ、マスコミのやつらのこの脂ぎった目。」
「…は??」
「オマエがあそこで余計なことを言わなければここまでの興奮状態にはならなかった。
アイツらをこうしたのはオマエだぞ、響弥。」
そう言って窓の外でカメラを寄せるマスコミの皆様をうんざりした表情でパパは見つめる。