雨が見ていた~Painful love~
突然、何言いだすんだろう……。
パパのわけのわからない言葉をポカンとしながら、聞いていると
「ま、わかんなかったらわかんなかったで今はいいよ。これから先、オマエが悩んだり、困ったりしたときに今の言葉を思い出してくれれば、それでいいから。」
パパはニッコリと、いつものように優しくほほ笑む。
そして、運転席から手を伸ばして私の腕にポンと手を置くと
「欲しければ欲しがればいい。
手に入れたいなら恥ずかしがらずに手に入れればいい。美織、自分をごまかすなよ??」
また更にわけのわからない一言をパパは吐く。
「な、なに言ってんの??
ワケわからないよ……。」
パパの言葉がなんだか生々しくて。なんだか気恥ずかしくて視線を反らすと
「うん。だろうねぇ。
だけど…美織はママに似てるから、ちゃんと言っておこうと思って。」
ハハハと笑いながらパパは私の腕をポンポンと叩く。
「ま、響弥の世話は美織に一任するからヨロシクな。」
「え…!?
あぁ、うん。」
生々しい話から一気にお仕事モードに変わったパパの勢いに驚きながら生返事をすると
「部屋は仁の部屋を使うように言ってくれ。後でアイツのオヤジにも連絡入れて、下着とか持ってきてもらうように頼むから。じゃぁな~。」
パパは爽やかに。それはそれは爽やかにほほ笑んだ後、扉をバタンと閉めて車を颯爽と走らせ風のようにその場からいなくなってしまった。