雨が見ていた~Painful love~
「理、理子ちゃん~~~っ!!?」
なんてこと言いだすのよ!!
真っ赤になりながら必死にワタワタしていると
「なによ。SEXってそんなにイケナイこと??」
理子ちゃんはコーヒーをすすりながら、冷静に問いかける。
「え……??」
「なんだかんだ言っても人間は動物なわけですよ。子孫を残したい、いいDNAを残したいと思うのはメスの悲しい性でしょーよ。」
「え…??そ、そうなの??」
「そうよっ!!
ヤリたきゃヤる。
ヤッてヨクなきゃサヨウナラ。
それが人間のDNAに組み込まれた悲しい営みの過程!!いーい?美織!!そうやって我が人類は地球上に繁栄してきたのよーっ!!?」
――え゛…。
ち、地球の繁栄!?
DNAの配列!?
そ、そんなグローバルな視点でHな営みを熱く語られても…!!!!
熱く熱く語りだす理子ちゃんに
別の意味でびっくりしていると
「地球の繁栄うんぬんの話は置いといて。」
ハァとため息をつきながら、綾音が理子ちゃんの肩をポンと叩く。
「流されるのも悪くないってことよ、美織。アンタと響弥くんの関係は深すぎて、近すぎて、傍にいるのが当たり前すぎて、大事なことが見えなくなってる。そのせいでアンタの思考がこんがらがってるんでしょ?」
その的を得た問いかけにコクンと頷くと
「じゃぁ、難しく考えずに裸の自分になって響弥くんに向き合ってみなさいよ。」
ニッコリ笑って、綾音はそんな言葉を口にする。