雨が見ていた~Painful love~
もったいない
もったいないよ、綾音。
私みたいな弱虫の親友が綾音だなんて、綾音のライバルが私だなんて、もったいなくて、申し訳なさすぎる。
いつも甘えてばかりで
いつも頼ってばかりの綾音
キョウちゃんが今でも好きだと泣き叫んでも、彼を返してと叫んでも、彼女は最後の最後でいつも優しい。
わたしなら絶対無理だ。
こんなカッコいいセリフは死んだって言えそうにない。
どこまでも素敵で、
どこまでも男前な
綾音の生き様に感動して
言葉を失ったまま、ただ彼女を見つめていると
「ま、私に悪いと思ってるならサッサとこの関係を清算してきてくれる??」
「…え…??」
「あんた達がいつまでたっても煮え切れないままだと…、私も諦めつけられないのよ。」
ハァと深くため息を吐くと、綾音はパルフェをパクンと頬張る。
「生殺しってツラいのよ?美織。変に期待しながら毎日を過ごすって、本当に地獄。」
「…あ…。」
「アンタが私を親友だと思ってるならさ?
そんな苦しみから、早く抜け出させてよ。」
そう言って
綾音は自嘲気味にハハハと笑う。