雨が見ていた~Painful love~


綾音の哀しい笑顔
理子ちゃんの叱咤激励


それを見て
私は決意を新たにする。



キョウちゃんに向き合おう。
関係を変えるんだ、キョウちゃんとの関係を。



仲良しの幼なじみにはもう戻れない。
聞いたが最後、言ったが最後、もう幼なじみには戻れない。




でも……
綾音の涙に、綾音の叫びに応えるためにも、もう逃げるのはやめるんだ。




キョウちゃんとは…
大好きな大切な、特別な幼なじみと
私は今日、サヨナラしよう。




「……キョウちゃんに…会ってくる。」




私はグッと決意をして
テーブルの下の手のひらをグゥッと握りしめる。




「美織!!」

「よく言った!
それでこそ我が幼なじみ!!」




その言葉を口にした瞬間
二人はテーブルにグッと両手を置いて、私にググッと近づいてくる。




「このクソ鈍感オンナめ~~!!
やーっとその気になったわね~~~っ!!」




理子ちゃんは私のオデコをデコピンしながら、満足そうにニッコリほほ笑む。




「まったく!!
二人して私を苦しめるんだから!!
響弥くんも美織も……、あんた達って大好きだけど大っ嫌いよっ!」




綾音は前のめりになった体を椅子の奥へと沈めて、ドッカリと座り込んで腕を組む。



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