雨が見ていた~Painful love~
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ありとあらゆるところにFAXを送っている最中
「水泳連盟のお偉いさん方がカンカンでさー。この会見をセッティングするのも一苦労だったよ。」
パパは疲れたようにそう呟く。
――え…??
その言葉に驚いて思わずFAXを操作している手を止めると
「あんなことした理由を言えと言っても響弥はダンマリだし、挙句の果てには“俺は後悔してない”の一点張り。何か大きな理由があるなら許そうとしてたお偉方はその態度にカンカンなんだよねー。」
そう言ってパパは近くにあったデスクに軽く腰を掛け、ポケットの中からタバコを取り出して、ゆっくりと火をつける。
「あいつのアスリートとしての道は恐ろしく暗い。藤堂響弥は永久追放だ!なんて叫ぶ輩(ヤカラ)もお偉いさんの中に、いるらしいからな…。」
パパはため息交じりにタバコの煙をハァと吐き出す。
――そんな…!!
真っ青になりながらパパの話を聞いていると
「響弥もなぁ。
変に直球で融通の利かない性格してるからな、アイツ。テキトウな理由つけて上手く立ち回ればいいのに……不器用だからできないんだろうなぁ。」
パパは窓の外を見ながらポツリと呟く。