雨が見ていた~Painful love~
体中の血という血がサァッと引いて、体中がどんどん冷たくなってくる。
何も言えず
何も答えられずに
だけどパパの視線を反らすことができなくて、呆然としながらパパを見つめていると
「ま、乗せられた響弥も響弥だが、アイツをハメたヤツもハメたヤツだ。実力世界のこの世界で汚い手を使ってのし上がって、一時期はいい気分を味わえてもな??…いつか自分も同じ手で引きずり落とされる。
そんな汚いヤツにかける情けはいらないだろう??」
フフっと悪魔な笑みを浮かべて笑いながら、パパはこんな恐ろしい言葉を口にする。
「パパ…。」
「…ん??」
「キョウちゃんがなんであんなコトしたのか…理由を知ってるの??」
もうすべて知っているとしか思えないパパの言葉に、思わず疑問の声を上げると
「まあ、一応…ね??」
パパは鼻でフッと笑って、近くにあったカバンの中から大きな茶封筒を取り出す。
何気ない茶封筒。
少ししわくちゃだけどどこにでもありそうな、何の変哲もない茶封筒。
だけど…どこかで見覚えがある。
どこだろう
どこで見たんだろう、コレ…
記憶をたどって、この茶封筒の出所を頭の中で整理していると
「……あ!!!!」
『準備完了。
今すぐ出れるぞ。』
ある一つの可能性に気づく。