雨が見ていた~Painful love~


――大丈夫…、大丈夫…。


私は自分にゆっくりと言い聞かせる。



みんなしてることなんだから。
じっと我慢してればすぐ済むことなんだから。




彼の手がゆっくりと胸の頂に向かっていく。
指先でコロコロとそれを転がされた時



「……っ!!!」


――大丈夫…大丈夫…っ…!!




私はグッと目を閉じて
思いっきり体を固まらせて
その刺激にじっと耐える。




快感よりも何よりも
恐怖で頭の中が支配されることが何より怖くて、私は思考もカラダもピキピキに固まらせて、ただただ耐える。




握った手のひらに爪が食い込みそうなほど、私は手のひらを握りしめる。このまま噛みしめたら血が出るんじゃないかと思うほど、唇を固く噛みしめる。




――気づきませんように。気づきませんように…!!




こんな私にキョウちゃんが気づきませんように……!!





そんな風に祈りながら
ギュッと体をこわばらせていると


キョウちゃんはニットの中に入れていた手を引き抜いて、ニッコリと二ーーーッコリと私に天使の様にほほ笑みかけた後



「この……、バカオンナーーーーーーーっ!!」


「い、いひゃいいひゃいっ!!」



キョウちゃんは突然悪魔の様に恐ろしい怒り顔に変貌を遂げて、私の鼻を思いっきりギュウウとつまむ。


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