雨が見ていた~Painful love~
そして拓真くんには…ね??
あの会見の次の日にごめんなさいを言った。
拓真くんが仕事が終わるであろう時間にSGスイミングスクールに行って、待ち伏せして。あの日、話を聞いてもらった小さな公園に呼び出して、キョウちゃんが好きだということを打ち明けた。
あの小さな古いベンチに座ったまま、下を向いて私の話を一通り聞いた後
「…わかった。
でも好きでいてもいいんだろ??」
「…え??」
「言ったろ?俺、気は長い方だって。
気が済むまでアンタのコト好きでいるから……響弥に飽きたらいつでも言って??俺、しつこく待ってるから。」
そう言って拓真くんはふわりと笑う。
ホントならそれを止めなきゃいけない。
断らなきゃいけないってことはわかっていたけど、私はその時“ダメ”って言えなくて。
ただボーッと信じられない気持ちで拓真くんを見つめていると
「俺、その顔が好きだった。」
「…え?!」
「美人なのにどっかヌケてて、ポーッとしてるとこ、桐谷さんのそういうところが好きだ。」
拓真くんは膝に手をついたまま
ズルいくらい柔らかい笑顔をたたえて、私を見つめる。
「桐谷さんに響弥がいても、好きでいることは自由だろ??もうしばらくは…好きでいさせてくれ。」
そんな拓真くんにどうしてもNOが言えなかった私。
流されるままにその申し出にコクンと頷いてしまったから…
「あ、桐谷さん!
響弥迎えに来たの??」
「あ、拓真くん…!」
SGで拓真くんと私が接触するのを見つけた瞬間
「おーまーえーらー!!
俺の目を盗んで何する気だったんだーーーっ!!!!!」
キョウちゃんはありえないぐらい鬼の形相をして、私たちの間に飛んで入ってくるようになってしまった。