雨が見ていた~Painful love~
彼の柔らかい唇が私の唇に重なる。
私の唇の隙間から、彼は熱い舌をねじ込ませる。
路上とは思えない
その熱い熱いキスが私の思考回路をショートさせる。
クチュリと鳴る、いやらしい水音
唇の合間から熱くて荒い、淫靡な吐息がこぼれ始める。
人通りの少ない路地で、熱い熱いキスを交わした後。キョウちゃんは私から顔をはなすと
「あ~、ヤバイ。今すぐ抱きたい!今すぐ押し倒してぇ……。」
私のカラダを抱きしめたまんま、キョウちゃんは私の耳元で切なそうな声を漏らす。
「え、えぇっ!?」
驚いて体を離すと
「アホか、逃がすかっつーの。」
そう言って、キョウちゃんは私を引き寄せるともう一度、私の唇にキスをする。
恥ずかしくて
いたたまれなくて
オス化したキョウちゃんにドキドキして
顔を真っ赤にさせたままそうっと見上げると
「今日は絶対に止めてやらねぇから。
覚悟しとけよ??美織――……。」
月明かりの中
彼は野獣のように微笑んだ。