雨が見ていた~Painful love~
キョウちゃんは私をベッドに運ぶと、ゆっくりと私を寝かせて、オデコにそっとキスをする。
オデコに、頬に
髪に、唇に
手の甲、首筋、胸元に……
まるで雨のように
私の体の至るところにキスをすると
「美織。」
「……はい。」
「好きなんだ……。」
「え??」
「俺、すげぇオマエのこと好きなんだ。」
キョウちゃんはベッドのフチに腰掛けながら、ベッドに寝転ぶ私を見下ろしながら、突然こんな甘い言葉を私にささやく。
照れ屋であまのじゃくで
抱かせろ、とか
キスしろ、とかは平気で言えるくせに……。こういう言葉は面と向かってなかなか言ってくれない彼。
そんな彼の告白に驚いて。ううん、驚くよりも嬉しくて
「ありがとう、キョウちゃん。
私もキョウちゃんのこと、大好きだよ?」
そう言って、彼の頬にそっと触れる。
柔らかい彼のほっぺ。彼の頬に手を当ててにっこりと微笑むと、キョウちゃんはゆっくりと私に覆い被さりながら
「俺、好きすぎておかしくなる。」
「……え??」
「オマエのことが好きなんだ。
好きすぎて気がおかしくなるくらい……俺はオマエに溺れてる。」
切なそうに、苦しそうにそんな言葉を呟く。
――キョウちゃん……
そんな彼を見ると私まで切なくなって。たまらず彼の首筋に腕を伸ばすと、彼は突然、私をギュウっと、とても強く抱きしめる。
このまま壊れるんじゃないかと思うくらい、強く強く抱きしめる。
その力に少し驚いていると
「好きだ。
好きなんだ、美織。」
彼は私の耳元で、小さく呟く。
「好きだから……全部欲しい。好きだから全部知りたい。好きだから、オマエの誰より近くに行きたい……。」
そう言って
少しだけ体を離すと、キョウちゃんは私のブラウスの裾を少しだけ上げて、そっとそぅっと手を伸ばす。