雨が見ていた~Painful love~
「俺、怖ぇよ。」
「……え??」
「また、あんな風にオマエをメチャクチャに抱いちまうんじゃねぇかって。欲望が先走って、また美織を失っちまうんじゃねぇかって。」
そう言って
泣きそうな顔をして、キョウちゃんは私にドサッと覆い被さる。
私に覆い被さったまま
私を強く抱きしめると
「好きだから。
美織のコトが好きだから。好きすぎて抱くのが怖い。」
「……。」
「これ以上ヤッたら、確実に理性がぶっ飛ぶ。好きだから、冷静になんてなれない。欲しくて欲しくて堪らないから……余裕なんてどこにもねぇよ……。」
ハァと疲れたように
まるで子どもみたいにキョウちゃんが弱音を吐く。
――もう……。
こんな時だけヘタレだなんて、カッコ悪すぎだよ。
でも、そんなキョウちゃんもいとおしい。
俺様でワガママで自己中なキョウちゃんの方がキョウちゃんらしいけど、こんなキョウちゃんも可愛らしい。
そんなカッコ悪いキョウちゃんがたまらなく可愛くて、いじらしくて。
たまらなくなって、彼の頬にチュッとキスをすると
「大丈夫。」
「……え??」
「乱暴に……してもいいから。」
モジモジしながら、私はそんな恥ずかしい言葉をポツリと呟く。
薄暗がりの中で、ゆっくりキョウちゃんが私に振り返ると
「あの……ね?その……。
その気持ちがわかってたら大丈夫だから。」
私はアセアセしながら、そう答える。
わずか数センチの所にある、彼の顔、彼の視線にドキドキしながら
「乱暴でも、なんでも。私のコトが好きでそうなってるんだ、ってわかれば嬉しいから。」
そう答えると、キョウちゃんはガシガシ頭を掻いて
「あ~っ!無理!!
も~う無理!!」
そう言って、私をさらに強い力で抱きしめる。