雨が見ていた~Painful love~
響弥を成田に送り届けた後
俺はある人物に電話をかけた。
「あ、もしもし、ボス?」
「あ~、藤堂??
で、どうだったの??」
「う~ん。
可哀そうだったけど、一応お言いつけ通りに響弥の欲望は阻止してきましたよ~??」
ため息交じりにそう伝えると
「ありがとう、藤堂。
こういう時はホント役に立つよね~。」
電話の向こうの主はルンルンしながら
こんな恐ろしい言葉を俺に吐く。
そしてホゥとセクシーなため息を漏れさせると
「俺の大切な娘を傷つけた罪は重いよ?響弥。
美織は許しても俺は簡単には許したりしない……!!」
クスクスと笑いながら
低い低い声を出して、こんな悪魔な一言を口にする。
――あ~ぁ。
苦労するぞ、響弥。
美織はカワイイ。
俺の大好きな伊織に似て美織は超絶カワイイけど…
「オヤジがアイツじゃ太刀打ちできねぇよな~。」
だってそーだろ??
世界で一番恐ろしい男を敵に回すんだぞ??
俺だったらいやだ。
自分のヨメの父親があの人だなんて、考えただけで吐き気をもよおす。