雨が見ていた~Painful love~
「はぁ……。」
私はベッドから立ち上がって、パジャマを脱ぎ捨ててキャミソールを羽織る。
キョウちゃんと私
いつも自分の半身のように寄り添っていた、大切な幼なじみ
今は遠い過去になってしまった、
キョウちゃんと私の関係
――まさか、綾音の彼がキョウちゃんだったなんて……。
あまりに間の悪い偶然に、自分でも驚いてしまう。
でも……
きっとこれきりだ。
私たちの間には
あの雨の夜がある。
サヨナラと言った
あの言葉がある。
頑固で
こうと決めたらこう!のキョウちゃんが、今さら私と関わるはずがないもの。
私は部屋の窓に張り付く
雨の粒を見ながら、こう思う。
キョウちゃんとはきっとこれきり。
綾音の恋は、無邪気に応援出来そうにはないけれど、彼女が幸せならそれでいい。
彼と私は、もう他人
あの出会いは単なる神様のイタズラで、これからどうこうなるワケじゃない。