雨が見ていた~Painful love~
「で、でもキョウちゃんは大学に通ってるんですよね?私どもがサポートせずとも大学の関係者やコーチが彼をサポートしてくれると思いますが……!!」
なんとか自分の状況から逃げ出したくて、こう発言すると
「美織。お前は響弥が今置かれてる状況がわかっててその言葉を言ってるのか??」
父は冷静にこう尋ねる。
――え……??
いつもは見せない、厳しい顔に驚いて黙りこくっていると
「響弥は日本を代表するアスリートだぞ?今期は日本選手権1位。世界選手権では平泳ぎ200メートルで1位。日本の特別強化選手で、次のオリンピックでは優勝候補にあげられている。」
「…え………。」
「わかるだろう?
響弥は競泳界の中で大切なポジションに属している選手だ。そんなトップアスリートを相手取ったデカイ仕事は、俺たちにとってとてもやりがいのある仕事だとは思わないか?」