雨が見ていた~Painful love~
ムカつく!
ムカつく!
ムカつく!!
ホントに嫌い!!!
なんなの、あの態度!!!
人をクソオンナ呼ばわりしてバカにした挙げ句、ヒーロー気取りで追いかけて来られても、こっちは感動なんてしないわよ!!!都合がいいにも程がある!!
しかも、アンタは綾音の彼氏でしょうが!!
私なんて追いかける前に、やることあるでしょ。
やることが!!
プンプン怒りながら
裸足にびちゃびちゃの衣服という、ありえない格好で歩き続けていると
「オマエ、ほんと意地っ張りだな。」
「……。」
「マジで中目黒まで歩いて帰る気なのか?」
「うるさい!
私の勝手でしょ!もうつきまとわないで!ハッキリ言って大迷惑!!」
「意地っ張りめ……。」
キョウちゃんは呆れた顔をしながら、私の隣をテクテク歩く。
いつもなら……。
ううん。
まだ私たち二人が仲良しの幼なじみだった頃なら、キョウちゃんのこんな不器用な優しさに喜んであげられたと思う。
心配してくれてるんだよねって。
ありがとう、って言ってあげられたと思う。
だけど……
こうなってきたら話は別だ。
傷つきたくない
もうこれ以上傷つけられたら、私の心は壊れてしまう。
振り回されたくない
穏やかに毎日を過ごしていたい。
だからもう……
キョウゃんには関わりたくない。
あの日あの時、この人とサヨナラしたのは間違いじゃなかった。
もうこのまま終わりにしてしまおう。
過去も未来も、全部この場で終わりにしてしまいたい。