雨が見ていた~Painful love~
私はあの日以来
誰ともお付き合いをしていなければ、誰にも恋をしていない。
体に触れられるのが……怖い。
二人っきりになるのが怖い。
獣になる、男の人のスイッチの入ったあの目が怖い。
「私は……あれ以来男の人とお付き合いなんてしたことないんだよ?!
したくてもできないカラダに、キョウちゃんがしたんだよ!?」
涙ながらに、
強い口調で啖呵を切って
キッと彼を睨む。
どこか冷静なキョウちゃんに
怒れる私
燃え盛る炎と冷たい氷のような視線をバチバチと浴びせさせていると
「……ふーーん。」
キョウちゃんはバカにしたように、腕を組んで見下しながらそれだけを呟いた。
「ふーーんって……、なんなの?!その態度!!」
普通はゴメンとか悪かったとか、謝罪の言葉があるべきなのに、なんでそんな傲慢な態度なのよ。
モヤモヤした怒りを抱えながら、彼に一歩、歩み寄ると
「悪いな、美織。
俺はすげぇ嬉しい。」
キョウちゃんは、信じられない言葉を口にする。