雨が見ていた~Painful love~
『あ、ヤバイ。言い過ぎた。』
こう思った時にはもう遅い。
そのたび、あいつは顔を真っ赤にして怒り出す。
そして最後に口走る言葉は必ずコレだ。
『キョウちゃんなんて大っ嫌い!!』
は~~~。
なんだ、こりゃ。
小学生か、アイツは。
いや……
それを言うなら俺も、か。
なんでだろう。
他の女には計算づくで最高に優しくしてやれるのに、あいつにはいつも最高級の悪態をついてしまう。
アイツが傷ついて、あの瞳を潤ませるたびに、俺の加虐心はビンビンに刺激されて、もっとあいつを傷つけたくなってたまらなくなる。
アイツが俺の言葉に反応して
まっすぐに俺を見据えて
プリプリ怒って
最終的にポロポロ泣き始めると俺はどうしようもないゾクゾク感に襲われる。
下手なSEXより100倍は気持ちいい、その快感
その快感に襲われるたび、俺は自分の隠されたS度に気づく。
ま、自分でも薄々はわかってたけど、俺って真正のドSなんだな~。
しかも、美織は真正のドM。
あんないい反応をするヤツ見たら、ほっとけねーだろ!?
アイツの瞳を見るたびに俺のドS心は刺激されまくって、自分でもわけわかんねぇくらいにひどい言葉が口から飛び出す。
そして傷ついた目をした美織を見て、イキそうなぐらいにゾクゾクしてる。
え??
変態って??
うるせーな!
しょーがねぇだろ!
性癖ってモンは死ぬまで直んねぇんだよっ!!
ま……
そんなコトで快感を得てる俺は、確実な異常者だとは思うけど。