一直線な人気者
いきなり謝られた為、更に私の頭の中のハテナは増えた。


「あ…けち君?なんで謝ってんの………?」


「だってなんかよく分かんねぇけど……桃妃ちゃんが元気無いの、オレのせいみたいだから……」


完全に整ったマユを八の字に垂らした明智君は、もう今にも泣いちゃうんじゃないかって位に沈んだオーラをまとい、謝罪を重ねる。


その姿に、私の鼓動がドキンと大きく高鳴った。


ズルイ……


そんな風に謝られたら、責めようなんて気……なくなっちゃうじゃない。


これがまた計算じゃなくて天然―――…純粋にやってるんだから、尚更だ。
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