一直線な人気者
真っ直ぐな目をした明智君に、急に腕を引かれる。


「ちょっ………明智君!?」


「は、隼斗!?」


私と布施君の驚きの声を無視して、明智君は私を図書室の外に連れ出した。


時間はもう放課後だから、廊下には人影がまばら。


てか、生徒も先生も歩いていなかった。


「ねぇちょっと!!どこ行くの明智君!?私まだ勉強中だし、結麻や真琳や布施君も置いて来ちゃって……ねぇ!」


どんなに呼びかけても、明智君からの返答はゼロ。


スタスタ早足で歩くもんだから、段々息が切れて来た。


「あ、明智……キャアアアッ!?」
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