一直線な人気者
いきなり壁に体を押しつけられ、私は甲高い悲鳴をあげた。


目の前には、中の上程の整ったお顔。


いつも笑顔の印象が強いその顔は……気に食わないといった感じにしかめっ面。


「え?な、何……?」


何が何だか全く分からない私は、ただ明智君の目を見返す事しか出来なかった。


明智君がこんなに怒った雰囲気出してるの、初めて見た……


ううん…動物園で私がナンパされた時も、この位怒ってたっけ?


「桃妃ちゃん」


「ハ、ハイ!」


数日前の事を思い出していると、不意に名前を呼ばれてビックリし、思わず敬語で返事をした。
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