一直線な人気者
「じゃあね。真琳も結麻もゆっくりしてきなよーー」


お姉ちゃんは紅茶を置くと、さっさと部屋を出て行く。


結麻はケーキをお皿に移しながら、私に先を喋るように促した。


言いにくいな………でも言わないと……


「あのさ、私一昨日明智君と一緒に帰ったよね?」


「ああうん。私目撃してたじゃん」


「私は後から聞いてビックリしたよーーー!それで?やっぱり帰り道に何かあったのね?」


ドンピシャで当ててしまった真琳に、黙って首を縦に振る。


あの明智君の嬉しそうな笑顔が頭の中に蘇って、胸がキリリと苦しくなった。
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