一直線な人気者
話し終わると、私達3人の間にシーンとした空気が流れた。


真琳は膝に両手を置いてパチパチと瞬きをしていて、結麻は口元を引きつらせている。


一方の私は、唇を噛みしめ、ティーカップからユラユラ昇る湯気をジッと見つめていた。


「………ハァ………」


不意に結麻が漏らしたため息に、肩がビクッと上がる。


ため息の主に目を向けると、“呆れた”って顔で見返された。


「桃妃……アンタ本当に分からないの?」


「な、何を……?」


「那由ちゃんだっけ?その子と笑って電話していた明智君見て、どうして胸が苦しくなったのか」
< 291 / 363 >

この作品をシェア

pagetop