一直線な人気者
「桃妃ちゃん、言葉選んだ方がいいよ。今のじゃまるで“オレが好き”って言ってるみたいだよ」


「―――…好きだもん」


桃妃ちゃんが頬を赤く染め、オレの目を見ながらポツリと呟く。


オレは体と頭、両方の動きが全部一変に止まってしまった。


好き………?


今オレ、桃妃ちゃんに“好き”って言われた……?


「も…桃妃ちゃん……今オレの事、好きって言った………?」


聞き間違いだったら相当イタイし悲しいので、半分ビビりながら尋ねる。


数秒の沈黙の後、桃妃ちゃんが……首を振った。


“ハイ”という意味の―――…縦に。
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