一直線な人気者

それと同時に時計を見ると、まだＨＲが始まるまで時間があった。


「ねぇそういえばさ、隣のクラスの……」


私は隣のクラスのつき合い始めたばかりのカップルが、もうケンカで険悪な雰囲気になっていたのがどうなったのか気になって、口を開いた。


―――が、廊下から「「「キャーーー！」」」と女子達の黄色い歓声が聞こえ、言葉が途中で止まる。


結麻・真琳と一緒に顔を向けると、１人の男の子が廊下を歩いていた。


「あ、人気者君だ」


女子に囲まれ、スタスタと廊下を進むその男の子。


あの人の名前は、明智 隼斗《あけち はやと》。