つめたい海のカナリアと魔物
まだらにはこわいものがありません。
だから、ひとりぼっちでもへいきでした。
ひょろひょろしたおかしな生き物が乗った
大きなかたまりが水の上を走ってくることもありました。
ひょろひょろした生き物は
まだらが近づいてもこわがらず、
まだらは、
大きなかたまりとならんで
いっしょに泳ぐこともありましたが
彼らはほかのことにいそがしいのか、
ずっとまだらとあそんでいたりもせずに、
いつもさっさとどこかに行ってしまいます。
まだらはひとりぼっちでもへいきでしたが──
そんなとき
ほんのちょっぴり、さびしくてたまらなくなるのでした。