つめたい海のカナリアと魔物




ボロボロになったまだらは、

波間をただよいながら、どうしようと思いました。


これではきっと魚もアザラシもとれません。


このままおなかがへって死んでしまうのかなと思いました。





まだらの体から流れ出た血が、

あたりにじわじわと広がっていきます。



とほうにくれていたまだらは、

下からやってくる大きな魚に気がつきました。


これまでときどき目にしてはいたけれど

食べたことはない魚でした。



どうしたことか魚はまっしぐらに

まだらをめざしてやってきます。



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