つめたい海のカナリアと魔物
ケガがなおっても
まだらの体にはボロボロのキズあとが残りました。
もうあの仲間たちには近づかないほうがいいと思いましたが、
まだらはどうしてもさびしくて
そっとお母さんと子どもの様子を見に行きました。
お母さんは今日も子どもにミルクをあげていました。
まだらも昔、
ああやってお母さんにミルクをもらっていたことを思い出しました。
すぐにまた仲間がまだらに気がついて
ぎいぎいとこわい声を出して追いはらおうとします。
まだらはしかたなく、
遠くから仲間たちをながめていました。
仲間たちははねたり
仲間どうしですりすりと体をよせたり
とても楽しそうにすごしていました。