繋いだ手を離すな。
移動してると、
一人の男子の周りに人、
っていうよりは女子が集まる
「日向。あれなに?」
「あー…松田だよ。アイツはね、ここの
学校の王子さまってやつ」
「松田?王子さま?」
「顔がいいから騒がれてるんだよ。
松田は迷惑そうだけど」
松田 渚(マツダナギサ)
確かに、顔はかなり整っている
女子にモテる要素が詰まってる
179センチという長身に、
黒髪で、爽やかな感じ?
日向に言わせるとこんな感じだった
「あたし松田とは中学一緒なんだ。
あたしと中学一緒の人って2人しかいなくてさ」
その一人が学校一の王子様ってのは
いいのか、悪いのか…
生物室に着く。
「みんないつも通り座ってくれー。」
「あの…私はどうすれば…?」
「君は…あー、転校生か!じゃあ
松田の隣が空いてるからそこに座ってくれ」
げっ…!
松田ってあの松田?
学校一の王子様の?!
女子の視線が痛い、痛い
「今日はーペアになって
実験してもらうからなー!」
「実験だってさ。
得意?」
「へ?!え…あ、得意じゃない…」
突然話しかけられて戸惑う
思っていたよりも低くて、
心地いい声だった
ふたりで顕微鏡の準備をする