不良王-キング-と物静かな姫-プリンセス-
序章〜すべてはここから始まった〜
3月某日。
鈴平学園、理事長室。
「理事長ーっ!!いい加減キング決めてください!!」
「あ、笹原孝麻だ。」
「んなこといいから!!確かに俺は笹原孝麻だけど!!」
律儀に返事を返すのは、鈴平理事長の秘書を務める笹原孝麻<ササハラコウマ>。
「律儀だな〜」
クスクスと独特の笑いを浮かべるのは、日本屈指の名門学園を25歳という若さで造り上げた天才理事長、鈴平万樹都<レイヒョウマキト>
「ッうるさいな!!でキングは!?」
「理事長にそんな口聞くのかっ秘書のクセに!!」
「ブチッ…んだとゴラ。誰のせいでこうなったと思ってんだよ!!万樹都!!」
バシンッと理事長を殴る秘書
「った!!ちょ、マジ痛いんだけど孝麻君!?」
「ったくてめえの辞書に感謝はないのか?あ゛ぁ?」
「素が出てる素が出てる!!怖いから!!」
「もともとてめえがいきなり秘書やってくれって頼んだのが始まりじゃねぇかよあ゛?」
「いやぁそこは感謝して…ごめんなさい。」
「チッ。でキングは?」
「決めたよ〜コイツ。」
差し出された資料をとる。
「ちょっ…いいのかよ!?」
「いーの。キング授与は拒否不可なんだから。」
「…お前、楽しんでるだろ」
「当たり前デショ?こんな楽しいお祭りなんだ。楽しむのに限るだろ?」
ニヤリとした笑みを見せて立ち上がると、秘書に口を開いた。
「今回の【キング】は雲雀柊哉!!今までで一番の暴君キングの誕生だ!!」
幕は開いた。
さぁ、祭りを始めよう。