Liars' clovers
 同時に隙間から飛び出し、子どものすぐ前に出る。

 次の瞬間、体に衝撃が走りぼくは後ろに倒れた。

 いたた、といううめき声がぼくと相手の口からもれる。

 ぶつかったのはぼくよりいくらか小さい男の子だった。

「なにすんのさっ」

 彼は強かに打ち付けた腰をさすりながら、うらめしそうにぼくをにらむ。

「ご、ごめん。いたずらで驚かそうとしたらタイミングを間違っちゃって」

 あはは、とぼくが笑うと、面白くなさそうに鼻をならせた。

「やるならもうちょっと気をつけてやってよね。危ないじゃん」

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