Liars' clovers
 通りさえ抜けてしまえば、あとは拍子抜けするほど楽だった。

 森方面の道に、人がまったくいなかったからだ。

 普段は過疎に不満を抱いていたぼくも、その日ばかりは人口の乏しさに感謝した。

 目的地である村はずれの森にはすぐ着いた。
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