また、キミの隣で…
あれから1日学校を過ごしたわけだけど…。
「花蓮、クラスのみんないい奴だったな」
「良かった。
心配したけど何とかやっていけそうだね」
「あぁ」
嬉しそうにうなずく。
HRが終わった後、みんな護の席に集まって一人一人自己紹介からしていった。
「私、笹岡亜美。
好きなものはアップルパイ!」
「岸田貴志。
護とは仲が良かったんだ。今は記憶がないけど…これからもよろしくな!」
「よろしく…」
最初みんな記憶がなくて、ショックを受けてたけど、前向きに進んでいこうと護と話すことにしたらしい。
それからというもの、前みたいな光景で、護も楽しそうだった。
「良かった、護またみんなと仲良くなれて…」
「…ありがとう、花蓮」
「ん?
何が?」
「いや、別に」
微笑んで歩いていく護に、私は「?」というマークを頭に浮かべて、隣を歩いて行った。
「じゃ、また明日な」
「うん、またね」
護の家の前で別れて家に向かう。
「なんかこうしてると、付き合ってる時みたい…」
ボソッと1人呟いて、また二人で帰れることが嬉しくて小さく笑った。