また、キミの隣で…
そんな時、ぶわぁっと強い風が吹いた。
「キャッ!」
いきなりで驚いて、目を閉じて足を止める。
風はすぐ去って行ったが…パパァー!!
トラックはすくそこまで来ていた。
「あっ…」
恐怖が押し寄せてきて体が動かない。
どうしよう、どうしよう…!
迷ってるヒマなどなかった。
もうすぐ目の前まで来ていて…。
私はとっさに目を閉じて覚悟を決めた。
神様―…!
「花蓮!」
ドンッ。
「え…」
「大好き…」
突飛ばされる私の耳に、小さな声だったけど、ハッキリ聞こえた。
―『大好き…』―
「…護!」
キイイィィィ!!
私が叫んだのと、ブレーキの音がしたのはほぼ一緒だった。
「きゃ〜、事故よ!」
「救急車呼べ!
救急車!」
周りにいた人たちが一斉に騒がしくなる。
「まも…る…」
私はただただ、血を流して横たわる護を見ていることしか出来なかった。