また、キミの隣で…
数分後、救急車が来て護をタンカで運び、事故の一覧を見ていた人が私も救急車の中に入れた。
救急車が来た時には子猫はもうどこかへ行っていた。
そして病院へ着いて護はすぐに手術室へ連れていかれた。
かすり傷しかおってない私は外のイスに座って待っていた。
数十分後、護の両親と私のお母さんが来た。
「花蓮!
一体何があったの…!?」
「お母さん…」
私はお母さんの姿を見て安心したのか、涙が込み上げてきた。
「ごめ…なさい。
ごめんなさい…。
私の…せ…で…護が…!」
「落ち着いて、花蓮。
ゆっくりでいいの。
ゆっくりでいいから、何があったのか話してみて」
「ごめ…なさい…」
私は泣き続けながら何が起こったのか全て話した。
数分しかたたないはずのはなしを、数十分もかけて…。
でもお母さんたちは真剣に聞いていてくれた。
「だから…私のせいで護は…」
「…花蓮ちゃん、自分を責めないで…」
ギュッと護のお母さんに抱きしめられる。
「護は花蓮ちゃんを守ってまでやったことなら、花蓮ちゃんは謝るんじゃなくて、ありがとうって思わなきゃ…。
じゃないとあの子は報われないと思うわ…」
「そうだな。
まぁさすが俺の自慢の息子だな」
おばさんもおばさんも辛いはずなのに…涙をためながら笑っていた。
「きっと護くんは大丈夫よ。
花蓮、護くんが目を覚ました時、ちゃんとお礼を言うのよ…?」
「うん…」
お母さんたちは希望を捨ててない。
私も、精一杯護が無事なことを願おう。