また、キミの隣で…
「ご家族の方ですね」
「先生!」
手術中と書いてあったところの赤いランプが消え、中から一人の医者が出てきた。
「護、無事ですよね!?
生きてますよね!?」
「落ち着いてください。
危険な状態でしたが、息子さんは無事です。」
「よ、良かった〜」
安心したのか、おばさんは地面に尻餅を着けて泣きじゃくりながら喜んだ。
そんなおばさんの肩を寄せておじさんも泣いて喜んでいる。
「ですが、まだ安心はできません。
危険な状態なのは変わりありません。
このまま意識を取り戻してくれるといいのですが…」
「ど、どういう意味ですか…?」
「大変申し上げにくいんですが、このまま息子さんは意識を取り戻さないままずっと眠った状態になる可能性が高いです…」
「そんな…」
希望の光から、絶望の闇に変わった。
このまま護が目を覚まさないかもしれない…?
そんな、そんなことって…。
「とりあえず病室に運びます」
先生が言うと、護を乗せたベッドが出てきた。
「護!」
みんなで護の元へかけよる。
護は酸素マスクをして、目をつむっていた。
目を開ける気配はない。
「護、護。
起きてよ…。
目を覚ましてよ…。」
けど返事はない。
何を言っても今の護には届かない。
「護…」
そのまま護は病室まで運ばれて行った。