また、キミの隣で…
記憶
*記憶喪失*
幼なじみから恋人へ…。
お互いの想いが通じて付き合い初め、早2ヶ月…。
そんな幸せな日々を送っていたある日のこと…。
「花蓮…。
護くんが事故にあって、救急車で運ばれたって…」
「ウソ…」
お母さんからそう伝えられた私は、無我夢中で夜の道を駆け抜け、お母さんが呼び止めるのも聞かずに、護がいる病院へと急いだ。
「護!」
バンッと勢いよく病室の扉を開ける。
護はベッドの上でボーと天井を見ていた。
「護…」
良かった、無事だったんだ…。
恐る恐る近づいて頭に巻いてある包帯に触れる。
すると護が私に顔を向けた。
所々ガーゼや包帯をしている以外、特に目立ったケガはしていない。
「命に別状はなかったんだね。
折れてるところもないみたいだし、良かった…」
安心して笑顔で言う私に、護はただボーとしていた。
「…護、どうかしたの?」
首をかしげて聞くと、護は口を開き
「…あんた…誰…?」
と一言言った。