また、キミの隣で…
『花蓮…。
花蓮…』
…私を呼んでるのは護…?
護、私はここだよ…。
『花蓮…』
「花蓮!」
大声で名前を呼ばれて目を覚ます。
「起きないと遅れるわよ〜!」
下から声を上げるお母さんに起こされて体を起こす。
「何だ…夢か…」
何度も護に名前を呼ばれる夢。
「…今の護も、ちゃんと私の名前呼んでくれるかな…」
不安が胸を痛めつけるけど、頭を振って学校へ行く準備を始めた。
「お母さん、私今日から護の病院に通うね。
だから帰り遅くなるかも…」
下に降りた私はまずお母さんにそう伝えた。
「そう…。
わかったわ。
護くん…早く記憶が戻るといいわね…」
「うん…」
お母さんは小さく微笑んで、洗い物を始めた。
護…。
学校に行っても、頭の中は護のことでいっぱいだった。
「早く会いたいな…」
窓の外を見ながら先生の話をボーと聞く。
護のいない学校は、何だか寂しかった。
放課後、私はすぐに帰る準備をして校舎から出た。